CNIPA、非正常専利出願行為の認定と手続きのガイドラインを公表

2023-05-30

Article Source: JETRO 香港事務 所


2023 年 5 月 26 日、国家知識産権局(CNIPA)は、「非正常専利出願行為の認定と認定後の手続きガイドライン」(非正常申请专利行为认定及认定后的办事指南1)を公布した。

<非正常専利出願行為の判断基準について>

「専利出願行為の規範化に関する弁法」[2](国家知識産権局公告第 411 号)(以下「公告第 411 号」)から変更点はない。例えば、当該行為の定義は、公告第 411 号の第 2条第 1 項の規定3のとおりであるとしている。さらに、当該行為の認定に当たっては、多角的な観点、具体的には、①出願書類作成の観点(同条第 2 項 1、2、4 及び 5 号)、②出願人の出願行為の観点(同項 3、6 及び 7 号)、③代理人の代理行為の観点(同項 8 号)、④その他の観点(同項 9 号)から判断されるとしている。

そして、公告第 411 号の第 3 条第 1 項にも記載のとおり、CNIPA が、専利出願受理、初歩審査、実体審査、審判のプロセス又は国際出願の国際段階のプロセスにおいて非正常専利出願行為が存在することを発見し又は通報によって知った場合、各分野の専門審査官で構成する専門的なワーキンググループが、専利法、その実施規則及び公告第 411 号等の法律法規に基づいて、非正常専利出願か否かについて調査を行う。

<非正常専利出願行為を処理するための手続きについて>

手続きの主な流れは以下のとおり。
(1)CNIPA 調査結果に基づき、当該行為の予備的認定に関する意見と出願番号リストを地方知識産権管理部門に通知 ⇒(2)

(2)地方知識産権管理部門 確認後、出願人または代理人に通知 ⇒ (3)

(3)出願人または代理人
✓ 出願を取下げ可能[4]
✓ 不服の場合には、所定期間内に、裏付けとなる書類ととともに「意見陳述書(非正常出願について)」を提出可能 [5] ⇒ (4)

(4)CNIPA 申立て内容を審査
✓ 非正常出願でないと判断した場合、通常の審査プロセスを再開
✓ 非正常出願であると判断した場合、「審査業務専用書(非正常)」又は「審査意見通知書」を通知して出願取下げ期限又は応答期限を指定 ⇒ (5)
※なお、上記(3)で応答無しの場合も「審査業務専用書(非正常)」を通知

(5)出願人または代理人
✓ 出願を取下げ可能 [4]
✓ 不服の場合には、指定期間内に、裏付けとなる書類とともに「意見陳述書(非正常出願について)」を提出可能 5 ⇒ (6)

(6)CNIPA さらに審査
✓ 非正常出願でないと判断した場合には、通常の審査プロセスを再開
✓ 依然として非正常出願であると判断した場合には、「審査意見通知書」を通知して出願取下げ期限又は応答期限を指定 ⇒ (7)
※なお、上記(5)で応答無しの場合は、「みなし取下げ通知書」を通知

(7)出願人または代理人
✓ 出願を取下げ可能 [4]
✓ 不服の場合には、指定期間内に、裏付けとなる書類とともに「意見陳述書(非正常出願について)」を提出可能 5 ⇒ (8)

(8)CNIPA 主張に説得力がないと判断した場合、「拒絶査定」を通知
※なお、上記(7)で応答無しの場合は、「みなし取下げ通知書」を通知

(9)出願人または代理人 拒絶査定に不服がある場合、拒絶査定を受けた日から 3カ月以内に専利局復審・無効審理部に再審を請求可能

<非正常専利出願行為と認定された場合の結果について>
公告第 411 号の第 4~6 条及び「専利出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知」6の「三、業務措置の強化」欄の記載と概ね同じである。

<補足> 非正常出願に関する主な政策文書の経緯は以下のとおり。
2007 年 10 月 「専利出願行為の規範化に関する若干の規定」[7] の施行
2017 年 4 月 「専利出願行為の規範化に関する若干の規定」改訂 [8] の試行
2021 年 1 月 「専利出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知」(再掲)の公布
2021 年 3 月 「専利出願行為の規範化に関する弁法」(再掲)の公布
2021 年 5 月 「専利出願行為の規範化に関する若干の規定の改正草案」[9] の公布
2022 年 1 月 「専利出願行為の持続的厳格化・規範化に関する通知」[10]
2022 年 1 月 「知的財産権信用管理規定」[11]
(以上)



[1][原文]https://cponline.cnipa.gov.cn/GzfwYwblGlwhTMVC/GzfwYwblGlwhT/selectByNoticeId?weihuRid=254
[2][JETRO 仮訳]https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210311.pdf
[3] 「本弁法にいう非正常専利出願行為とは、いかなる単位又は個人がイノベーション保護を目的とせず、真の発明創造活動に基づかずに、不正な利益の取得や架空のイノベーション実績、サービス実績の虚構を目的として、単独で又は結託して各種の専利出願を提出し、専利出願を代理し、専利出願権や専利権を譲渡する等の行為を指す。」
[4] 専用フォームを使用する必要がある。詳細は本ガイドラインの「三、」を参照。
[5] 専用フォームを使用する必要がある。詳細は本ガイドラインの「四、」を参照。
意見陳述書の提出は、非正常出願に該当しないことを証明することを目的とし、裏付け書類には
次のものを含めることができる。
①出願の根拠が真正であることを証明する書類(例えば、真の発明創造活動を証明する資料、出願人および発明者の実際の研究開発能力およびリソース状況を証明する資料など)
②出願の目的が真正であることを証明する書類(例えば、出願目的がイノベーションの保護であり、不当な利益や架空のイノベーション実績、サービス実績などを目的としたものではないことを証明する資料など)
③出願行為、代理行為、譲渡行為の真正性を証明する資料(例えば、関連行為の真正性、関連行為の参加者の身元および連絡先の真正性を証明する資料など)
[6][JETRO 仮訳]https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20210127.pdf
[7] [原文]https://www.cnipa.gov.cn/art/2007/8/27/art_526_145956.html
[8] [原文]https://www.cnipa.gov.cn/art/2017/3/2/art_74_27619.html
[9] [JETRO 仮訳]
意見募集稿:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/opinion/20210506_jp.pdf
起草説明:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/opinion/20210506_kisou_jp.pdf
意見募集案内:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/opinion/20210506_annnai_jp.pdf
[10] [原文]https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/1/25/art_2073_172985.html
[11] [JETRO 仮訳]https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/ip/law/pdf/section/20220124_3.pdf